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木の家具が好き。でもキズが心配…無垢材を長持ちさせるお手入れ方法について

2025.12.02

皆さん、こんにちは。大和屋家具店の淺井です。先日、南知多町のお客様のご購入していただきまして、納品に伺ってきました。半田市より南に行くこと、30分。たった30分ですけど、そこは、大自然です。(笑)伊勢湾のキラキラと輝くような水平線を見ながら、今年も残り1ヶ月となる年末を肌で感じておりました。

大海原を肌で感じている新人の今ちゃん! 南知多の大自然を高台から感じておりました。

それにしても知多半島って自画自賛になりますが、とっても住みやすい、イイ街ですね。しっかり働いて町に恩返ししなきゃと考える今日この頃です。

さて、本日は、無垢材の家具のお手入れについて少しお話ししたいと思います。天然木の家具には、木っぽく造られた廉価品とは明らかに違う温かみや存在感があります。手ざわり、木目のゆらぎ、経年で深まる色合い…。木の家具が好きな方なら、一度迎え入れた無垢材のテーブルやチェアを「できるだけ長く、美しく使いたい」と思うのは自然なことですし、私どもの理念も永く使ってもらいたい家具を提供するとあります。しかし同時に、「キズがついたらどうしよう」「水ジミができないか心配」と、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

大和屋家具店では“天然木の魅力を最大限に活かす”という想いから、ウレタン塗装ではなくオイル塗装を推奨しています。メーカーさんには、オイル塗装が可能な商品に関して、できる限りオイル塗装でお願いしています。

ただ、オイル仕上げは木が本来もつ肌ざわりや質感をそのまま楽しめる一方で、「お手入れが難しそう」というイメージを持たれることも。しかし実際は、ポイントさえ押さえれば誰でも無理なく長持ちさせることができます。

ここでは、無垢材家具を永く愛用するための基本のメンテナンスと、オイル塗装ならではの“育てる楽しみ”をご紹介します。

無垢材は「キズがつく=劣化」ではない

まず覚えておきたいのは、無垢材はキズがつく素材であること自体が魅力の一部という考え方です。ウレタン塗装のように硬い塗膜で覆われていない分、生活の跡が表面に残りやすいという特性があります。しかし、浅いキズはオイルを塗れば目立たなくなり、使い込むほど色が深まり、味わいが増していきます。

“ヴィンテージ家具”が美しいように、木の家具はキズも含めて「暮らしの歴史」になっていきます。

日常のお手入れは「拭く」だけで十分

無垢材のお手入れは、実はとても簡単です。

① 乾拭きが基本

普段は柔らかい布でサッと乾拭きするだけでOK。
特にオイル塗装は木が呼吸しているため、静電気が起きにくくホコリも付きにくいのが特徴です。

② 水拭きは“かたく絞って”

水拭きも可能ですが、びしょ濡れはNG。
しっかり絞った布で拭き、仕上げに乾いた布で水分を残さないようにします。

③ 熱いもの・濡れたものは直接置かない

コースターや鍋敷きを使うことで、水ジミ・輪ジミの発生を防げます。
とはいえ、万一ついてしまっても後述のメンテナンスでほとんど改善できます。

年に1回でOK。無垢材を長持ちさせるオイルメンテナンス

「オイル塗装はお手入れが大変そう」という声をよく聞きますが、実は年1回程度で十分。
むしろオイルを塗り直すことで木に油分が戻り、乾燥や変形を防ぐ効果があります。

メンテナンス手順(作業時間は実質10分で完了)

  1. 表面のホコリを軽く拭き取る
  2. オイルをウエスに少量つけ、薄く塗り広げる
  3. 20分ほどなじませる
  4. 乾いた布でしっかり拭き上げる(ここが重要)

厚塗りするとベタつきの原因になるため“薄く・しっかり拭き上げる”がポイントです。

オイルを塗った直後は少し色が深くなり、木目が美しく際立ちます。
まるで家具が息を吹き返したような艶感に、「やってみたら意外と簡単だった」と喜ばれるお客様が非常に多いです。

メンテナンスができる≒自分で補修できる

メンテナンスを面倒くさい~と思われる人もいらっしゃいますが、オイル塗装の一番のメリットは何と言ってもキズや輪ジミもだいたい補修できてしまうことです。軽い傷はオイルを塗ればほとんど目立たなくなりますし、へこみキズも浅いへこみなら、スチーム(濡れタオルとアイロン)でおおよそ復元します。白い輪ジミもオイルで再度、保湿することで改善します。それでも残る場合は、ごく細かい紙やすりで軽く研磨することで目立たなくなります。

「子どもが小さいから無垢材は不安…」という声もありますが、むしろキズが直せるオイル仕上げはファミリー層と相性が良い素材と言えます。

無垢材とオイル塗装がもたらす“上質な暮らし”

天然木の家具は新品が一番美しいわけではありません。
手をかけるほど艶が生まれ、深みが増し、世界にひとつだけの表情になっていきます。

とくにオイル塗装は、木の質感をそのまま味わえる仕上げ。
触れたときの温かみ、素肌に近い手ざわり、自然素材ならではの心地よさ。
これはウレタン塗装では得られない魅力です。

「暮らしと共に変化していく家具」
「10年後がもっと美しい家具」

そんな体験を与えてくれるのが、無垢材×オイル仕上げの最大の価値です。

お手入れは難しくない。木の家具は“育てる楽しみ”がある

キズやシミを恐れて無垢材を避けてしまうのは、とてももったいないことです。
日々のお手入れは乾拭きだけ、年1回のオイルメンテナンスで美しさを保てます。そして、万一キズがついても自分で手当てできる——それこそが“無垢材家具の強さ”でもあります。

木の家具を迎えることは、単なる購入ではなく家族と暮らしを育てるようなもの。

人が年を取るように家具も年を取っていきます。長く時間を共にする家具は、家族の一員になっていきます。お互いにいい年の取り方をしたいものですね。


ぜひ気負わず、自然素材ならではの心地よさと経年変化を楽しんみてはいかがでしょうか。